2026年上期、バンクーバーの商業用不動産投資は選別色を強め、総投資額は前年比23%減の35億ドルとなった。資本は防御的でインカム重視の投資機会へ移行し、大半の主要セクターで取引量が減少した。国内では6月にバンクーバーの失業率が0.7ポイント低下して6.6%となる一方、建設・テクノロジー・ホスピタリティでの雇用減少が需要の底堅さの弱さを示した。
オフィスは高品質供給の制約が主因で投資が抑制され、取引額は約3.94億ドルと前年比46%減。可用率は前年比10ベーシスポイント上昇の12.4%で、3年連続で12〜13%のレンジ内にとどまった。取引はClass Aが中心で70件・130万平方フィート超を占め、Class Bは16件・約24.5万平方フィートにとどまった。
小売は唯一前年比プラスを記録し、取引量は1%増の8.66億ドル。食品スーパー併設のストリップセンターやプライムなストリートフロント、都市部の住宅混合用途開発内の店舗が需要を支えた。
インダストリアルは前年比19%減の約6.69億ドルながら、4四半期連続のプラス吸収と5.9%(前年比30ベーシスポイント低下)の可用率で底堅さを維持。開発パイプラインは27棟・約250万平方フィートに縮小し、うち約51%がリース可能だった。
マルチファミリーは前年比41%減の約3.72億ドルへ縮小。安定化した低層資産や介護施設に取引が集中し、2,800万ドルのLynn Valley Care Centre取得が含まれた。
投資家心理は幅広い成長より資本保全を重視し、耐久性のあるインカム、優良立地、政策支援が明確な資産が選好された。投機的開発は概ね先送りされ、中立金利の長期化と資産クラス間で不均一な需要を反映した、より選別的なアンダーライティング環境となった。
Q2 2026のバンクーバー土地取引総額は12億ドルに達し、前年比14%減となった。買い手は防御可能な規制経路や長期的な収益・再開発ポテンシャルを持つ資産を優先し、投機的取得から政策支援のある案件へと資本が移行した(section: Land)。
住宅用地サブセクターは約4億2,600万ドルの取引量を記録し、前年比6%減となった。市場全体が停滞するなか、都市部のゾーニング活動は堅調で、City of VancouverのBroadway Plan回廊や新たに確定したCitywide Official Development Plan(ODP)の成長拠点など、交通指向エリアに資本が集中した。一方、ICI(industrial, commercial and institutional)用地サブセクターは約7億8,800万ドルで前年比18%減となり、投機的取得からより明確な規制経路・予測可能な密度・管理可能な保有コストを持つ案件への広範な移行を反映した(section: Land)。
複数の主要取引が報告された。Richmondの工業物件Plaza 5400(5400 Minoru Boulevard)は5月に1,600万ドルで取得された。Vancouverの1777 West 8th Avenueのオフィス物件は6月に約630万ドル(1平方フィート当たり約868ドル)で取引された。Sightline Propertiesは4月に4975–4997 Joyce Streetの4区画開発用地を1,700万ドルで取得し、約404戸の賃貸タワー計画を有する。またPC Urbanは4月にWest 13th AvenueとWillow Streetの集合用地を4,430万ドルで取得し、Vancouver General Hospital向けに約507戸の賃貸住宅と延長保育施設を計画した(section: Notable Transactions)。
市場見通しでは、広範な取引回復ではなく規律ある資本投下が続くとされた。小売は必需型テナントと逼迫した空室に支えられ最も防御的、工業は限られた土地供給と安定した需要で低い空室を維持する見通し。一方、オフィスと集合住宅は高い借入コストや家賃規制、慎重な引受により取引速度が制約され、優良な交通接続資産への強い選別が進む。土地取得は交通指向型で管理可能な保有コストの案件へ大きくシフトした(section: Market Outlook)。
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