2026年8月のカナダ住宅市場は、5カ月連続の上昇の後に一服し、再販は季節調整済で前月比0.7%減少して5月の水準まで後退した。この後退は貿易摩擦の激化と重なり、買い手心理を揺るがす一方で売り手の登録を促したとみられる。新規登録は前月比3.3%増加し、sales-to-new-listings ratioは49%に低下したが、依然として均衡圏内にあり、価格の急落を和らげるとされる(Page 1)。
CREAの総合価格指数は7月からほぼ横ばいで、前年比の価格下落率は-3%へと縮小し、1月以降続く減速傾向が継続している。全国ベースでは再販が前年比6.9%減、新規登録が前年比3.2%減、mls Home Price Indexが前年比3.0%減となった(Page 1、Page 3の表)。
Vancouverは最も軟調な市場の一つだが、8月の再販が前月比9.7%増と持ち直し、9カ月ぶりに2,000件を超えた。価格は下落が続くもののペースが減速している。Torontoでも6~7月の小幅上昇の後、8月は前月比でわずかに低下した。Ottawaはmls Home Price Indexの年間伸び率が2026年初めてプラス圏に転じた(前年比1.0%)。一方、Torontoは再販が前月比1.3%減、Ottawaは前月比11.2%減となった。Atlantic Canada、Quebec、Prairiesの一部では価格が明確にプラスを維持している(Page 2、Page 3の表)。
RBCは8月の減速を転換点ではなく一時的な小休止と読み解いており、2026年後半から2027年にかけて安定化が進むと見込む。ただし地域差は大きい。新規登録は前年を下回っており在庫の安定と需給の再均衡を支えているが、再販が10年平均に戻るには距離があり、貿易摩擦と経済の逆風の下で回復は劇的ではなく漸進的になると予想している(Page 2、Page 3)。
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