CREはインフレヘッジになると広く想定されているが、Altus Groupが16のプロパティサブタイプと91四半期の評価データを分析した結果、保護効果はサブタイプ単位で大きく異なることが示された。分析にはQ4 2003からQ2 2026までの91四半期の評価データを用い、サブタイプの断面が信頼できるようになる2013年以降に限定した。リース構造フィールドがスペースリース型でのみ存在するため、検証対象はインダストリアル、オフィス、リテールの3つの親タイプとその下の16サブタイプとなっている(Key Highlights、Testing the inflation hedge with lease-level data)。
インフレは市場賃料と既存契約賃料の乖離(rent gap)を生むが、これは実現収益と同じではない。オーナーがこのスプレッドを取り込めるのはリースが更新され市場水準にリセットされる時のみであり、rolloverが上昇余地を将来の収益成長へ確実に変換するかが問われる。この変換は一部のサブタイプでのみ確認され、プロパティカテゴリー全体では見られない(The rent gap is only potential)。
インダストリアルのインフレヘッジ評価は主に倉庫(warehouse)に由来する。warehouseはrent gapが大きいほど収益成長が強まる明確なパターンを示すが、industrial flexは同様の証拠に乏しく、製造・特殊用途は方向性は正しいが一貫性を欠く。リテールは単一タイプで見ると比較的中立に見えるが、モールはrent gapを将来の収益成長に変換する証拠を示す一方、strip-center形態は変換の証拠が弱い。オフィスは他の主要タイプと異なり、rent gapが将来の収益改善に確実につながっておらず、サブタイプ全体で関係は概して弱いか負である(Industrial's reputation is largely a warehouse story、Retail tells a more complicated story、Office remains the exception)。
オフィスの負の関係はパンデミック後だけの現象ではなく、稼働率変化を調整し以前の期間を見ても、より大きなrent gapが一貫した収益成長につながっていない。示唆として、インフレ保護はセクターの区分ではなくリースのメカニズムを通じて評価すべきであり、市場賃料と契約賃料の差、リース更新の頻度、過去の収益成長への変換実績という3点が鍵となる。最も強いインフレヘッジは、現在のrent gapが最大の資産ではなく、そのgapを将来キャッシュフローに変換できるリースを持つ資産である(Office remains the exception、What this means for underwriting、The takeaway)。
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