カナダの住宅市場について、再販市場は2026年に回復の兆しを見せるものの、長期平均を下回る水準にとどまる見通しである。住宅着工は2026年も減速を続け、2027〜2028年にはより顕著な減少が予想される。賃貸市場では高い空室率と緩やかな賃料上昇が続き、アフォーダビリティの改善が続く。また、コンドミニアムのプレセール活動の低下が、今後3年間の新規コンドミニアム建設を制約する(Regional overview)。
B.C.州経済は、2025年の限定的な成長を経て2026年に改善する見込みである。2026年には失業率が低下し、労働力人口の伸びが鈍化することで雇用環境が改善するが、公共部門の雇用の伸びの鈍化がその回復を一部抑制し、失業率は歴史的に高い水準を維持するとされる。過去10年で技術・専門サービス関連セクターがB.C.州で最も成長した分野であり(Figure 1)、専門・科学・技術サービスの雇用指数は2014年を100として2025年に180.2まで上昇した。国際移住は2025年に続き2026年も減少が続く見通しである(British Columbia's labour market section、Figure 1)。
新築住宅建設は2025年の集合住宅セグメントの好調を経て、2026年には低下傾向をたどる。バンクーバーとビクトリアではコンドミニアムのプレセールが大幅に減少し、多くの計画が停滞しており、2026年以降さらに延期・中止が増えると見込まれる。賃貸建設も高い空室率と緩やかな賃料上昇を受けて2026年後半から減速する。歴史的に低調だった2025年の後、バンクーバーとビクトリアの再販市場は2026年に一定の回復を見せるが、歴史的平均を下回る水準にとどまる(Slower rental demand section、Resales section)。
再販価格は2026年に緩やかに上昇するが、その後の伸びは低く、近年の高値には達しない見通しである。2027年に見込まれる住宅ローン金利の上昇が借入能力を制約し、価格の伸びを抑える。B.C.州の借入能力は2025年末に328,217ドル、2028年末には339,753ドル(予測)と見込まれる(Figure 2)。メトロ・バンクーバーでは所有コストと賃貸コストの差が縮小しており、2025年末の2ベッドコンドの月間所有コストは3,590ドル、中央値賃料は2,300ドルとなっている(Figure 3、Average prices section)。
バンクーバーCMAの2ベッドルーム平均家賃は2023年2,181ドル、2024年2,314ドル、2025年2,363ドルと推移し、空室率は2023年0.9%、2024年1.6%から2025年に3.7%へ急上昇した。MLS平均価格は2023年1,216,622ドル、2024年1,234,969ドル、2025年1,183,970ドルで、MLS販売件数は2025年に30,818件へ減少した(Forecast Summary (Vancouver CMA))。ビクトリアCMAでは空室率が2023年1.6%、2024年2.6%、2025年3.3%と上昇している(Forecast Summary (Victoria CMA))。
バンクーバーの空室率は2025年に30年以上ぶりの高水準に達し、2026年予測では低位4.1%・2028年4.0%と高止まりが見込まれる(Rental markets will see elevated vacancies maintained for 2026、Forecast Summary (Vancouver CMA))。全国的には地域差が大きく、オンタリオとブリティッシュコロンビアの建設・販売は10年平均を下回る一方、プレーリーとケベックでは歴史的平均を上回る見通しで、2026年に価格下落が予想されるのはオンタリオのみとされる(National overview)。
バンクーバーCMAの再販活動は、20年超で最も遅い販売率の後、2026年に緩やかに回復し、2027〜2028年も成長するが予測期間を通じて10年平均を下回る見込みである。回復は市中心部に近いエリアに集中し、フレーザー川以南の新築コンドは追加の価格調整が必要とされる(Key highlights)。ビクトリアCMAは2025年後半の減速後、2026年に低金利と2027年の利上げ観測を背景に緩やかに回復するが、2027〜2028年は人口成長鈍化と労働市場の課題で需要が減退する見込みである(Key highlights)。
国際移民は少なくとも2028年まで低調が続くとみられ、新規賃貸在庫の消化は従来水準を下回る見通し。高い空室率で平均家賃の上昇は緩やかにとどまり、既存テナントの家賃上昇はほぼゼロに近づく一方、新築の高価格ユニット流入が平均家賃を押し上げる。賃貸の手頃感は今後3年間改善が続くとされる(Rental markets will see elevated vacancies maintained for 2026、Key highlights)。全国では新規着工が2028年まで減少し、特にコンドミニアム着工が弱く、賃貸市場は供給増と家賃上昇鈍化を通じて均衡に向かう(National overview)。
2026年のカナダ経済は実質GDPが0.7%成長にとどまると予測され、景気後退を除けば近年で最も弱い年の一つとなる見込みである(Economic outlook)。Forecast Summaryによれば、2026年(Baseline)の住宅着工総数は247,000件、MLS®販売は489,000件、MLS®平均価格は698,000ドル、雇用成長率は0.3%、5年固定住宅ローン金利は5.1%と予測されている。
2025年(着工259,000件、MLS®販売470,000件、平均価格680,000ドル、GDP成長率1.6%)と比べ、2026年は住宅着工が減少する一方、販売と平均価格は増加する見通しである(Forecast Summary)。米国関税による貿易の逆風、高い失業率、緩やかな所得成長、住宅ローン借り換え時の金利上昇、ほぼゼロの人口成長が国内需要を抑制するとされる(Economic outlook)。Prairiesでは2022〜2024年の急速な人口・労働力の伸びが鈍化しつつあり、2025年第4四半期にはManitoba(-0.2%)とSaskatchewan(-0.1%)で人口成長率がマイナスに転じている(Figure 1)。
全国住宅販売は2026年にOntarioとBritish Columbiaが牽引して一時的に回復するが、これは近年の弱さによるpent-up demandが主因で持続的な回復ではないとされる(Gradual home sales recovery)。価格面ではOntarioが2026年も下落を続け、特に高価格の都市部で顕著となり、British Columbiaは新築高価格コンドミニアムの完成もあって再び上昇する見込みである。住宅着工ではTorontoのコンドミニアムがpre-construction salesの数十年ぶりの低水準を受けて特に弱く、Ontario全体の着工は2026年に約20年ぶりの低水準に落ち込むと予測される(Weaker starts)。PrairiesやQuebecは相対的に堅調が続くとされる。
経済成長は2027年から改善に向かい、輸出業者の適応、消費者信頼感の安定、投資の拡大が牽引役になるとされる(Economic outlook)。住宅市場では新規供給の増加により賃貸市場が均衡に向かい、空室率の上昇と賃料伸びの鈍化が全国的に見込まれ、借り手に貯蓄の時間的余裕が生まれる(Gradual home sales recovery)。一方で下振れリスクが上振れリスクを上回るとされ、企業心理の悪化や政府事業の遅延が重なれば2026年に軽度の景気後退に陥る可能性が指摘されている(Alternative scenario)。
プレーリー地域の再販市場は、借入コスト低下にもかかわらず地域ごとにまちまちな動きが予想される。カルガリーの再販は低価格帯の手頃な物件の供給不足と労働市場の課題からピークから鈍化し、リストは高価格帯に偏る見込み。エドモントンは他の主要CMAと比べた住宅取得の相対的な手頃さに支えられ、緩やかな減少にとどまり底堅く推移する。サスカトゥーンは高水準の販売が継続、リジャイナは緩やかに増加、ウィニペグは2026年に高水準を維持する見通し。
カルガリーのMLS®販売は2023年34,798件、2024年34,567件、2025年29,702件と推移し、2026年は26,000〜33,000件と予測される。MLS®平均価格は2025年644,091ドルから、2026年は610,000〜680,000ドルへ緩やかに上昇する見込み。エドモントンの販売は2025年29,050件で、2026年は25,000〜31,000件、平均価格は2025年450,268ドルから2026年420,000〜480,000ドルへ推移する(Forecast Summary)。
住宅着工は近年の急増から安定化する見込みで、リジャイナを除く全CMAで地上型(ground-oriented)住宅が引き続き強い一方、アパートのシェアが特にカルガリーとエドモントンで拡大している。アパートが着工全体に占める割合は、カルガリーで2021年42%から2025年54%、エドモントンで2021年31%から2025年48%へ上昇した(Figure 2)。カルガリーでは近年の建設増、人口増加の鈍化、コスト上昇、賃貸空室の増加により開発業者のリスク許容度が低下し、新規着工より既存プロジェクトの完成を優先している。
賃貸市場は新規供給が需要を上回り軟化が続く見込みで、空室率が上昇し賃料上昇が鈍化する。カルガリーの空室率は2023年1.4%、2024年4.8%、2025年5%と上昇し、2026年は5.7〜6.2%、2028年は5.9%と予測される。2ベッドルームの平均賃料は2025年1,914ドルから2028年に2,030ドルへ緩やかに上昇する。エドモントンの空室率は2025年3.8%から2026年4.5%、2028年5.1%へ上昇する見込み(Forecast Summary)。エネルギー部門の弱含みや関税問題、ベネズエラの石油生産再開の可能性が経済見通しのリスクとして挙げられる(section: Energy sector weakness and tariff challenges pose risks to the outlook)。
本レポートはRegina、Saskatoon、Winnipegの各CMAおよびOntario全体について2026〜2028年の予測を示す。2025年の総住宅着工は、Reginaで1,687戸、Saskatoonで3,812戸、Winnipegで6,061戸と、いずれも近年の高水準に達した。2025年のMLS®平均価格はReginaで354,723ドル、Saskatoonで417,918ドル、Winnipegで409,105ドルとなった。空室率は2025年にReginaで2.7%、Saskatoonで3.3%、Winnipegで2.9%であった(各Forecast Summary)。
2024年から2025年にかけて、着工・価格・空室率はいずれも上昇した。Reginaでは総着工が1,223戸から1,687戸へ増加し、空室率は2.6%から2.7%へ。Saskatoonでは着工が2,656戸から3,812戸へ大幅増、空室率は2.0%から3.3%へ上昇した。Winnipegでは着工が5,151戸から6,061戸へ、空室率は1.7%から2.9%へ上昇した(各Forecast Summary)。都市間では、SaskatoonとWinnipegで空室率の上昇が特に顕著となっている。
Reginaでは、フルタイム雇用や定着した移民層が持ち家需要を支えるが、人口増加の鈍化と経済環境の弱まりが需要を抑える。着工は2026年に増加後、緩やかな成長にとどまり、地上階型住宅の着工は2026年に減少、アパート着工は政府の賃貸インセンティブを背景に増加する見通し(Regina Key highlights)。Saskatoonでは移民増による潜在的購入者の増加で再販市場が引き続き堅調。着工は緩やかに増加し、地上階型は高水準で安定、アパートは政策支援で増加する(Saskatoon Key highlights)。Winnipegでは2025年に着工が力強く伸び、2026年も高水準を維持。2025年6月導入のゾーニング改革が多世帯型インフィル開発を促進する(Winnipeg Key highlights)。
全市場で賃貸市場は緩和へ向かい、新規賃貸供給の増加と移民減少・若年層雇用の弱さから空室率が上昇する。Winnipegの空室率は2026年低位予測で4.4%、2028年に5.3%まで上昇し、20年超ぶりの高水準に達する見込み。家賃は上昇を続けるものの、供給増と需要弱含みでペースは鈍化し、家主はインセンティブを提供する。Ontario全体では、緩やかな経済成長、失業率の低下、手頃感の回復が市場を支えるが、国際貿易摩擦による不確実性が購入者を慎重にさせ、既存住宅販売は10年平均を下回ると予測される(Regional overview、各Key highlights)。
オンタリオ州の住宅販売は25年ぶりの低水準に達した後、2026年に増加が見込まれる。これはアフォーダビリティの改善と底堅い経済によるもので、住宅ローン金利の低下や返済期間延長を含むモーゲージ保険ルールの変更が、より多くの買い手の市場参入を後押しする。ただし、活動水準は過去の平均を下回る見通しである(Key highlights)。2026年の再販在庫は需要を十分に満たすため、平均価格は低下し、前回見通しからの転換となる。
販売の増加見通しは地域で異なる。Greater Toronto Area(GTA)は強い需要と多様な経済を背景に成長を牽引する一方、Southwestern OntarioとGreater Golden Horseshoe外縁部は、雇用見通しの弱さと州内移動の減少により成長が鈍化する見込み。Ottawaは強固なテック・防衛産業に支えられ、安定した販売を維持すると予想される(Sales projected section)。労働市場の弱さは貿易依存産業に限定されており、貿易依存の雇用指数は2025年10月に98.8まで低下した一方、非貿易依存は103.0を維持している(Figure 1)。
平均再販価格は2026年に小幅低下する見通しで、これは主にGTAの弱さによる。豊富な再販供給と依然弱い販売活動により、売り手は当面値下げ圧力に直面する。投資家を中心とする売り手の市場復帰、堅調な新築完成、2026年の大量のモーゲージ更新が上乗せ要因となりうる。ファミリー向け住宅は需要が強く安定する一方、コンドミニアム、特にGTA、Hamilton、Kitchener–Cambridge–Waterlooでは吸収が弱まる(Elevated inventory to prevent price growth)。
住宅着工は2026年に減少し、5年連続の減少となる見込みで、GTA、Ottawa、Kitchener–Cambridge–Waterlooに集中する。コンドミニアム着工は極めて低い着工前販売により最大の減少が見込まれる一方、賃貸着工は機関投資家や政府プログラムに支えられ高水準で安定する。2025年には賃貸着工が他の保有形態を上回る節目を迎え、2025年Q3の4四半期移動合計で賃貸22,646戸、コンド19,036戸、持ち家20,419戸となった(Figure 2)。2026年の賃貸市場は概ね均衡し、空室率はオンタリオ全体で3〜5%の範囲が見込まれる。国際移民の減少が需要を抑制し、非永住者への依存度が高かったSouthwestern Ontarioなどで空室率が高くなる見通しである(Rental market to see higher vacancies)。米国の通商政策リスクや金利・雇用・移民の変動が見通しの主要なリスク要因となる。
トロントCMAでは2025年の総住宅着工が26,087戸(Ground-oriented 7,101戸、Apartments 18,986戸)、MLS販売62,735件、MLS平均価格1,068,210ドル、空室率3%、2ベッドルーム平均家賃2,046ドルとなっている(Forecast Summary Toronto CMA)。ハミルトンCMAでは2025年の総着工3,146戸、平均価格840,915ドル、空室率3.6%、オシャワCMAでは総着工1,014戸、平均価格875,662ドル、空室率3.7%が示されている(Forecast Summary Hamilton CMA / Oshawa CMA)。
トロントCMAの総住宅着工は2023年の47,428戸から2024年37,718戸、2025年26,087戸へと連続して減少している(Forecast Summary Toronto CMA)。空室率は各地域で上昇傾向にあり、トロントで2023年1.4%→2025年3%、ハミルトンで2.1%→3.6%、オシャワで1.5%→3.7%へ上昇している(各Forecast Summary)。
2026年のトロントCMAは総着工20,700〜24,900戸、MLS平均価格994,000〜1,056,000ドル、空室率3.5%が予測される。ハミルトンでは着工が減少するものの、Hamilton・Burlington・Grimsbyの賃貸アパート案件がコンドミニアム建設の減少を一部相殺するとされ、販売は2026年に増加が見込まれる(Key highlights、Forecast Summary Hamilton CMA)。オシャワは2026年に空室率4.1%まで上昇が予測される(Forecast Summary Oshawa CMA)。
2026年は総住宅着工が減少する一方、政府の融資プログラムや自治体のインセンティブに支えられ賃貸着工は堅調で、これは同地域における重要な転換と位置づけられる(Key highlights)。コンドミニアム市場は完成戸数の多さから価格に下押し圧力がかかる見通しで、住宅ローン借入余力はGTAで改善し2025年Q4に777,204ドル、2026年Q4予測で782,409ドルとされる(Figure 3)。均衡した市場状況の回復は2027年までないと見込まれる(Key highlights)。
Kitchener – Cambridge – Waterloo CMAでは、2025年の総住宅着工が4,306戸、MLS®販売件数が6,115件、MLS®平均価格が754,842ドル、空室率が4.1%、2ベッドルーム平均家賃が1,832ドルとなった。London CMAでは2025年の総着工が3,106戸、販売6,855件、平均価格637,554ドル、空室率4.0%、平均家賃1,651ドル。Ottawa CMAでは2025年の総着工が10,864戸、販売11,992件、平均価格709,199ドル、空室率3.0%、平均家賃1,926ドルであった。
Ottawa areaでは2025年の住宅着工が2024年の7,894戸から10,864戸へと大きく増加し、極めて高い水準に達した。空室率は3地域とも近年上昇傾向にあり、Kitchener – Cambridge – Waterlooでは2023年2.1%から2025年4.1%へ、Londonでは1.7%から4.0%へ、Ottawaでは2.1%から3.0%へと上昇した。平均価格はKitchenerとLondonで直近数年やや低下する一方、Ottawaでは上昇が続いた。
Kitchener – Cambridge – Waterlooでは医療・技術セクターの拡大が経済を支えるが、教育・自動車部門の需要減少や貿易政策変更への脆弱性が課題とされる。2026年の着工減少は主にコンドミニアム投資家需要の弱さによる。Londonでは電気自動車・防衛車両製造などの産業成長が2027〜2028年の販売を押し上げるとされ、賃貸アパート部門の堅調さから2026年の着工は安定する見通し。Ottawaでは許認可が前年同期比で減少しており、着工減少の方向性を裏付けている。同エリアはrow homeが住宅ストックの20%を占める点で他市場と異なる。
住宅販売は経済不確実性の後退とともに徐々に強まるが、弱い人口増加が需要を抑え、2028年までに歴史的平均に近づく程度とされる。賃貸市場では人口増加の鈍化や留学生・外国人労働者の減少により空室率が上昇し、家賃の伸びは緩やかにとどまる。オンタリオ州の2026年賃料引き上げガイドラインは2.1%で過去4年で最低水準となる。市場は供給吸収に伴い次第に均衡へ向かい、2027年以降に価格成長が再開すると予想される。
St. Catharines – Niagara CMAでは、2025年の総住宅着工数は2,514戸(Ground-oriented 837、Apartments 1,677)、MLS®販売は6,098件、平均価格は668,349ドル、空室率3.9%、2ベッドルーム平均賃料1,527ドルであった。Windsor CMAでは、2025年の総着工1,262戸、販売5,402件、平均価格559,168ドル、空室率3.7%、平均賃料1,454ドルとなっている(Forecast Summary)。
St. Catharines – Niagaraの空室率は2023年2.8%、2024年3.8%、2025年3.9%と上昇を続けている。Windsorも2023年2.0%、2024年3.3%、2025年3.7%と同様の上昇傾向にある。両CMAの2ベッドルーム平均賃料は年々上昇しており、St. Catharines – Niagaraは1,389ドル(2023年)から1,527ドル(2025年)、Windsorは1,253ドルから1,454ドルへと推移している(Forecast Summary)。
St. Catharines – Niagaraでは、2026年に販売は増加するものの10年平均を下回る見込みで、これは改善する住宅取得能力に牽引される一方、国際移民の減少やGTA・Hamiltonからの流入減により制約される。賃貸集合住宅の着工はNiagara Fallsでの複数プロジェクトを背景に堅調を維持する見通し。Windsorでは製造業の動向に市場が密接に連動しており、貿易関係の不確実性が消費者信頼感を低下させ、需要は当面低調に留まる。賃貸集合住宅の着工はCity of Windsorへの政府支援により相対的に持ちこたえるとされる(Key highlights)。
両CMAとも空室率は予測期間を通じて上昇が見込まれる。St. Catharines – Niagaraでは非永住者の移住減少、Windsorでは就労許可・留学許可保有者の減少が賃貸需要を弱めている。Ground-oriented住宅の着工は2026年に歴史的低水準近くで推移し、2027〜2028年に在庫の逼迫や経済状況の正常化に伴い緩やかに回復すると予測される。Quebec州では、留学生受け入れ上限と州の移民目標引き下げにより2024年末以降続く人口増加の鈍化が住宅需要を抑制し、Montréalは人口減少の可能性もある。住宅ローン金利の引き下げサイクル終了により持家需要の伸びも限定的となる(Key highlights, Regional overview, Growth in housing demand, Resale markets)。
ケベック州の主要市場では、政府プログラムや強い需要により賃貸住宅の着工が近年記録的水準に達している。Montréal CMAの共同住宅着工は2025年に25,223戸へ急増し、総着工は27,777戸を記録した。Gatineau CMAの総着工は2025年に2,120戸であった。空室率は上昇傾向にあり、2026年には州の主要市場で2.5%〜4.5%に達すると見込まれる。
Montréal CMAの空室率は2023年1.5%、2024年2.1%、2025年2.9%と上昇し、2026年予測は3.8%となる。Gatineau CMAでは2023年1%、2024年1.9%、2025年3.8%と急上昇し、2026年予測は4.3%となる。平均販売価格はMontréalで2025年651,873ドル、Gatineauで506,881ドルと上昇が続いている。建設中の賃貸戸数は高水準にあり、Montréal CMAでは2025年に27,391戸、Québec CMAで8,925戸に達した(Figure 2)。
ケベック州では関税の影響が限定的で経済が比較的底堅く、MontréalとQuébecでは2025年の着工が予想を上回った。Gatineauでは2024年に始まった回復が2026年も継続し、着工は高水準で安定する。Québec圏では2025年にLévisで課された着工モラトリアムを主因に、2026年は緩やかな減少傾向が見込まれる。Montréal圏の着工は2026年にわずかに増加した後、中期的に徐々に減速する。
2年前に始まった賃貸市場の緩和は2026年も続き、空室率は予測期間を通じて上昇する。永住・一時移民の大幅な減少による需要鈍化と新規供給の増加が主因である。家賃上昇は2025年にTAL(Tribunal administratif du logement)の勧告により持続したが、TALが算定方式を改定したため2026年以降の勧告上昇率は低下する見込みで、家賃上昇はより緩やかになる。賃貸住宅は新規住宅の80%を占め建設を牽引する一方、コンドミニアム市場は高コストと予約販売の低迷で弱く、戸建てもなお緩やかにとどまる。中期的には人口動態による需要低下、高い建設コスト、建設中戸数の多さの3要因が着工ペースを徐々に鈍化させると見込まれる。
ケベックCMAでは、住宅着工総数が2023年の5,009戸、2024年の6,905戸、2025年の8,583戸と増加してきた。2025年は金利低下と複数の政府プログラムが支えとなった。再販市場の平均価格は2023年365,366ドル、2024年406,303ドル、2025年465,325ドルへ上昇。空室率は2023年・2024年の0.9%から2025年に2.4%へ上昇した。ハリファックスCMAでは、2025年の住宅着工総数が7,000戸、MLS®平均価格が602,079ドル、空室率2.7%となっている(Forecast Summary (Québec CMA), Forecast Summary (Halifax CMA))。
ケベックでは2025年に着工が増加した一方、2026年は減少が見込まれる。主因はLévis市が特定地域での新規建設許可発行に課したモラトリアムで、通常この地域の着工の約4分の1を占めるSouth Shoreの建設を鈍化させる。North Shoreで計画される集合住宅プロジェクトでは減少を完全には補えない。ハリファックスでは、記録的なアパート建設が続いた後に市場が冷却し、2026年は着工が安定化するが歴史的水準では高止まりする見込みである(Key highlights)。
ケベックの再販市場は2026年に増勢が鈍化し、販売は2025年水準を維持する一方、価格は需要の強さと供給の限定を背景に上昇を続ける。ケベックの経済はサービス業中心で公共行政の雇用比率が高く、米国の関税の影響は限定的で雇用市場は国内でも最強クラスとされる。ハリファックスでは強い雇用が市場を支えるが、移住鈍化と労働制約が勢いを抑える。価格・販売は2026年にわずかに上昇し、中期的には人口成長鈍化とともに安定化する見込みである(Key highlights)。
両市とも賃貸市場は緩和方向にある。ケベックでは2025年に空室率が予想以上に速く上昇し、2026年も緩和が続く。要因は、2025年に始まった一時的移民数の急減(新たな移民政策により継続)と新規賃貸ユニット供給の増加である。家賃は短期的には上昇を続けるが、そのペースは過去より緩やかになる。ハリファックスでも記録的な竣工や非居住移民の減少による需要減で空室率がわずかに上昇するが、長期平均を下回り市場は逼迫を維持。家賃上限や入居者移動の低さが賃貸ストックを抑える要因となる(Key highlights)。
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