本レポートは、カナダおよびブリティッシュコロンビア(BC)州の住宅市場について、新規建設・中古住宅取引・賃貸の各動向を示している。全体として、中古市場は回復の兆しを見せつつも長期平均を下回り、住宅着工は2026年に減速が続く見通しである(Regional overview)。賃貸市場は高い空室率と賃料上昇の鈍化が続き、手頃感が改善する一方、コンドミニアムのプレセール活動の低下が今後3年間の新規建設を制約するとされる(Regional overview)。
BC州経済は2025年の限定的な成長を経て2026年に改善が見込まれる。失業率は低下傾向をたどるが、公共部門の雇用の伸び鈍化により回復は一部制限され、歴史的に高い失業率が続く。テクノロジーおよび専門サービス部門は過去10年で最も成長した分野であり、専門・科学・技術サービスの雇用指数は2014年を100として2025年に180.2に達した(Figure 1)。一方、国際移民は2025年に続き2026年も減少し、賃貸・投資需要に影響を及ぼす(British Columbia's labour market)。
新規住宅建設は2025年のアパート部門の好調を受けて2026年には減少に転じ、予測期間後半にはさらに減少する見込みである。バンクーバーとビクトリアでのコンドミニアムのプレセール大幅減により多くの計画が停滞し、2026年以降にプロジェクトの延期・中止が増えると予想される。賃貸建設も2026年後半から減速する見通しである(Slower rental demand and rising costs)。中古市場は歴史的に低調だった2025年を経て2026年に一定の回復を見せるが、長期平均を下回る水準にとどまる(Resales are expected to increase moderately in 2026)。
中古価格は2026年に緩やかに上昇するが、その後は伸びが限定的で、近年の高値には届かない見込みである。2027年に予想される住宅ローン金利の上昇が借入余力を制約する。借入余力(Borrowing Capacity)は2025年12月時点で328,217ドルで、2018年3月の260,400ドルから上昇している(Figure 2)。メトロ・バンクーバーでは持家の月額総保有コストと賃料の差が縮小しており、2013年3月に月額総保有コスト1,814ドル・中央値賃料1,150ドルであったものが、2025年12月には3,590ドル・2,300ドルとなっている(Figure 3)。
Vancouver CMAの賃貸空室率は2023年0.9%、2024年1.6%、2025年3.7%と上昇し、Vancouverは30年超ぶりの高水準に達した。2026年(Low)は4.1%、2027年4.2%、2028年4.0%と高止まりが予測される。2ベッドルーム平均家賃は2025年に2,363ドル、2026年2,381ドルへと緩やかに上昇する見通しである(Forecast Summary Vancouver CMA)。Victoria CMAでも空室率は2023年1.6%から2025年3.3%へ上昇し、2026年は3.6%と予測される(Forecast Summary Victoria CMA)。
Vancouver CMAのMLS平均価格は2024年1,234,969ドルから2025年1,183,970ドルへ下落し、2026年は1,111,000~1,348,000ドルと見込まれる。MLS販売件数は2025年に30,818件と20年超ぶりの低水準となり、2026年に緩やかに回復するが予測期間を通じて10年平均を下回る(Highlights / Forecast Summary Vancouver CMA)。Victoria CMAの平均価格は2025年1,011,263ドルで、2026年は微増が見込まれる(Forecast Summary Victoria CMA)。全国では地域差が大きく、OntarioとBritish Columbiaの建設・販売は10年平均を下回る一方、PrairiesとQuebecは歴史的平均を上回る。Ontarioは2026年に価格下落が見込まれる唯一の地域である(National overview)。
Vancouver CMAの回復は都心近接エリアやアパート・コンドミニアムで集中する一方、Fraser川以南の新築コンドは追加の価格調整が必要とされる。CoquitlamなどNorth Fraserのタウンハウス等は競争力ある価格と通勤距離から好調が見込まれる(Vancouver Key highlights)。Victoria CMAは低金利と2027年の利上げ観測を背景に2026年に緩やかに回復するが、2027~2028年は人口増加の鈍化と労働市場の課題で需要が減退する(Victoria section)。
移民政策の変更で賃貸需要が減少し、若年失業が新規入居を妨げている。過去4年に着工された賃貸物件が今後市場に流入することで空室率は高止まりし、家賃上昇は抑制され、賃貸の手頃感は今後3年間改善する見通しである。コンドミニアム着工はプレセール低迷により今後2年間限定的となり、賃貸アパート着工も2026年後半に減速が見込まれる(Rental markets section / Vancouver Key highlights)。全国的にも新築着工は2028年まで減少し、賃貸市場は供給増で全体としてバランスへ向かう(National overview)。
カナダの経済は2026年に緩やかな成長にとどまり、実質GDP成長率は0.7%と予測されている。これは景気後退を除けば近年で最も弱い年の一つとなる。新築市場の住宅着工総数は2026年(ベースライン)で247,000件、再販市場のMLS販売は489,000件、MLS平均価格は698,000ドルと見込まれている。5年固定住宅ローン金利は5.1%とされる(Economic outlook / Forecast Summary)。
2025年の実績はGDP成長率1.6%(F)、着工259,000件、MLS販売470,000件、平均価格680,000ドルであった。2026年は成長が鈍化する一方、住宅販売は前年から増加する見込み。米国が2025年に導入した関税は引き続きカナダの輸出業者のコストを押し上げ、輸出は2026年も減少が続くと予想される。高失業率、緩やかな所得成長、慎重な住宅取得姿勢、住宅ローンの更新負担、低い人口成長が国内需要を抑制する(Economic outlook / Forecast Summary)。
住宅需要は2026年も歴史的平均を下回る見込みだが、全国のMLS販売はオンタリオ州とブリティッシュコロンビア州が牽引して一時的に持ち直す。これら2州は数十年で最も弱い販売を記録しており、反発は主に繰り越し需要による。全国の住宅価格は安定後に緩やかに上昇する見込みだが、オンタリオ州は在庫過多と販売低迷により2026年も価格下落が続き、2027年に回復し始める。ブリティッシュコロンビア州は完成した高価格帯コンドミニアムの影響もあり2026年に再び上昇する見込み(Gradual home sales recovery)。
新規建設活動は2026〜2028年を通じて10年平均を大きく下回る見込み。コンドミニアム着工は特に弱く、トロントでは着工前販売が2025年に数十年ぶりの低水準に落ち込んだ。オンタリオ州の着工は2026年に約20年ぶりの低水準に、ブリティッシュコロンビア州も予測期間末までに歴史的に弱い水準まで低下する。一方でプレーリー地域は歴史的平均を上回る見込み。プレーリー地域は人口・労働力の成長鈍化で経済成長が減速し、2025年Q4にはマニトバ州(-0.2%)とサスカチュワン州(-0.1%)で人口成長率がマイナスに転じた(Weaker starts / Regional overview / Figure 1)。
下振れリスクが上振れリスクより高いとされる。企業心理の悪化や政府プロジェクトの遅延が生じれば、投資の急減により2026年に軽度の景気後退に陥る可能性があり、その場合GDP成長率は-0.1%となる(Alternative scenario / Forecast Summary)。
プレーリー地域の主要CMAでは空室率が上昇傾向にある。カルガリーCMAの空室率は2023年1.4%、2024年4.8%、2025年5%と推移し、2026年予測ではLow 5.7%、2027年Low 6.2%とさらなる上昇が見込まれる。2ベッドルーム平均賃料は2023年1,695ドルから2025年1,914ドルへ上昇した。エドモントンCMAの空室率は2023年2.4%、2024年3.1%、2025年3.8%と上昇し、2026年予測Low 4.5%となっている(Forecast Summary各CMA)。
カルガリーの再販市場は最近のピークから冷え込む見通しで、MLS販売件数は2023年34,798件から2025年29,702件へ減少した。低価格帯の手頃な住戸の供給が限られ、労働市場の課題も影響している。一方エドモントンは他CMAと比べ相対的な手頃さから底堅さを保ち、初回購入者を中心に需要を支える。サスカトゥーンは高水準の販売が続き、レジャイナは緩やかな成長、ウィニペグは2026年に高水準を維持後、繰越需要の減少で鈍化するとされる(Resale activity across the Prairies)。
住宅着工は最近の急増から安定化する見通しで、レジャイナを除く全CMAで地上型住戸が引き続き強い。総着工に占めるアパートの割合は、カルガリーで2021年42%から2025年54%、エドモントンで2021年31%から2025年48%へと着実に上昇している(Figure 2)。カルガリーでは近年の建設増加、人口増加の鈍化、コスト上昇、賃貸空室の増加が開発業者のリスク許容度を下げ、新規着工より既存案件の完了に注力する動きがみられる。全市一括アップゾーニングの撤回可能性をめぐる不確実性も新規着工を遅らせている。
賃貸市場は新規供給が需要を上回り、空室増加と賃料伸びの鈍化が進む。家主は入居促進のためインセンティブを提供し、テナントの選択肢と交渉力が高まっている。賃料は名目では上昇を続けるものの、ペースは鈍化する。エネルギーセクターの弱含みや関税問題が経済見通しへのリスクとして指摘され、原油価格の軟化が新規掘削や設備投資のペースを鈍らせる可能性がある(Energy sector weakness and tariff challenges)。
本レポート(2026年1月15日時点の情報に基づく)はカナダの複数都市の住宅市場見通しを示す。2025年実績ではReginaの総着工が1,687戸、MLS平均価格が354,723ドル、空室率2.7%。Saskatoonは総着工3,812戸、平均価格417,918ドル、空室率3.3%。Winnipegは総着工6,061戸、平均価格409,105ドル、空室率2.9%となった。
Reginaでは2024年の空室率2.6%から2025年に2.7%へ、平均価格は332,357ドルから354,723ドルへ上昇した。Saskatoonは着工が2024年の2,656戸から2025年に3,812戸へ大幅増加し、空室率も2.0%から3.3%へ上昇した。Winnipegは着工が2025年に6,061戸と高水準に達し、空室率は1.7%から2.9%へ拡大した。3都市とも持ち家需要と政府の賃貸支援策が着工を支えている。
Reginaは再販市場が緩やかに成長し、地上型住宅の在庫は逼迫が続く見通し。着工は2026年に増加後、緩やかな成長にとどまる。Saskatoonは移民増を背景に再販市場が堅調で、地上型着工は高水準を維持する見込み。Winnipegは2025年6月導入のゾーニング改革が複数世帯向けインフィル開発を後押しし、着工は高水準を維持する見通し。Ontario全体ではGreater Toronto Areaが成長を牽引し、Southwestern Ontarioなどは遅れる見込み。
各都市とも新規賃貸供給の流入により空室率が上昇し、賃貸市場は緩和に向かう。Winnipegの空室率は2027年5.0%、2028年5.3%と20年超ぶりの高水準に達する予測。移民減少と若年層の弱い雇用により賃貸需要の伸びは鈍化し、家賃上昇ペースは近年より減速する。Ontarioでは既存住宅販売の増加が見込まれるものの、貿易摩擦による不確実性と負担能力の問題で活動は弱いままとなる。
オンタリオ州の住宅販売は2025年に25年ぶりの低水準に達した後、手頃感の改善と底堅い経済を背景に2026年に増加する見通しである。ただし活動は歴史的平均を下回る。2026年の再販在庫は需要を十分に満たすとされ、平均価格は低下する見込みで、これは前回のアウトルックからの転換となる。住宅着工全体はコンドミニアム着工の減少により2026年に減少するが、強い賃貸建設が一部を相殺する(Key highlights)。
2026年は、価格低下と借入余力を高めた住宅ローン金利の低下により、これまで様子見だった買い手が動くと予想される。オフィス回帰の要請も州外流出を抑え需要を支える。ただし失業率の高止まり、投資家心理の低迷、手頃感の課題により販売は10年平均を下回る(Key highlights, Figure 3)。地域別では、Greater Toronto Areaが強い需要と多様な経済を背景に成長を牽引し、Southwestern Ontarioと外縁のGreater Golden Horseshoeは雇用見通しの弱さと州内移動の減少により成長が鈍い。Ottawaは技術・防衛セクターに支えられ安定した販売が見込まれる(本文)。
豊富な再販供給と弱い販売活動により、当面売り手は値下げ圧力に直面する。2026年は投資家を含む売り手の市場復帰や新築完成、住宅ローン更新の増加により在庫が高止まりする見込みだが、2027年・2028年はGTAを中心に在庫減少と需要増で価格が上昇する。住宅着工は2026年に減少し、5年連続の落ち込みとなる。コンドミニアム着工が最大の減少を示す一方、賃貸着工は機関投資家や政府プログラムに支えられ高水準で安定する(Elevated inventory / New home starts)。
2025年は賃貸着工が他のテニュアを上回る重要な節目となった。Figure 2によれば、2025年第3四半期時点で賃貸着工は22,646戸に達し、持家(20,419戸)やコンドミニアム(19,036戸)を上回った。2026年は借入コストの低下、税制措置、連邦の取り組みが賃貸着工を支える。一方2027年以降は、より厳格な引受基準や空室率上昇・賃料成長鈍化により賃貸成長の見通しは不透明になる。賃貸市場は2026年におおむね均衡し、空室率は3〜5%のレンジで推移するが、非永住者に依存してきたSouthwestern Ontarioなどで空室率が高まる見込みである(Figure 2, Rental starts, Rental market to see higher vacancies)。
Toronto CMAでは、2025年の総住宅着工が26,087戸(Ground-oriented 7,101、Apartments 18,986)で、2026年予測は20,700〜24,900戸へ減少する見通しである。MLS平均価格は2025年に1,068,210ドル、2026年予測は994,000〜1,056,000ドル。専用賃貸の空室率は2025年3%から2026年3.5%、2ベッドルーム平均賃料は2,046ドルから2,090ドルへ推移する見込み(Forecast Summary Toronto CMA)。
Oshawa CMAでは総着工が2025年1,014戸から2026年900〜1,400戸、平均価格は875,662ドルから804,000〜874,000ドルへ低下し、空室率は3.7%から4.1%へ上昇する。Hamilton CMAは総着工が2025年3,146戸から2026年2,300〜2,900戸、平均価格は840,915ドルから820,000〜855,000ドル、空室率は3.6%から4.0%へと上昇が見込まれる(Forecast Summary Oshawa CMA、Hamilton CMA)。Burlingtonは通勤時間の短さから相対的に好調、中央Hamiltonは投資家需要の弱さで在庫消化が遅れる可能性がある(Key highlights)。
GTAの住宅ローン借入能力は2025 Q3の767,142ドルから2025 Q4に777,204ドル、2026 Q4予測では782,409ドルへ改善している。一方、ベンチマーク・コンドミニアムのローン額は2025 Q3で454,885ドルとなっており、購入余力の向上が示されている(Figure 3)。
2026年は総住宅着工が減少する一方、政府の融資プログラムや自治体の支援を背景に賃貸着工は堅調が見込まれ、地域構造の重要な転換となる。集合住宅(コンドミニアム)は多数の竣工が価格に下押し圧力をかけ弱含む見通しである。専用賃貸の空室率は供給増と人口増加の鈍化により上昇するが、2027〜2028年に竣工の減少と吸収の改善で安定化に向かう。平均価格は2026年に軟化した後、竣工の一巡と販売の回復により後半に成長を再開すると見込まれる。市場全体の均衡状態は2027年まで戻らないとされる(Key highlights、本文)。
本レポートはKitchener – Cambridge – Waterloo、London、Ottawaの3CMAについて2026年から2028年の住宅市場見通しを示す。2025年実績では、Kitchener – Cambridge – Waterlooの総着工数が4,306戸、MLS販売6,115件、平均価格754,842ドル、空室率4.1%。Londonは総着工3,106戸、販売6,855件、平均価格637,554ドル、空室率4.0%。Ottawaは総着工10,864戸、販売11,992件、平均価格709,199ドル、空室率3.0%であった。
住宅着工は各地域で2025年に高水準に達した後、2026年に減少または横ばいとなる見通し。Kitchener – Cambridge – Waterlooではコンドミニアム分譲投資家需要の弱さが主因で減少が予想される一方、賃貸専用アパートの着工は堅調が続く。Ottawaでは2025年に夏の見通しを上回る着工を記録したが、2026年は人口成長の鈍化と建設中戸数の多さから減少が予想される。Londonでは賃貸アパート部門の堅調により2026年の総着工は安定する見込み。
Kitchener – Cambridge – Waterlooの平均価格は2026年は横ばい、2027年・2028年に需要ファンダメンタルズ改善を背景に上昇に転じる見通し。Londonの平均価格は在庫増による買い手市場を反映し2026年は概ね横ばいで、後半年に緩やかな上昇が見込まれる。Ottawaでは労働市場の弱含みが需要を抑え、供給増加とあいまって2026年の価格上昇は限定的となる。
賃貸市場は3地域とも空室率上昇が予想される。人口成長の鈍化と国際留学生流入の減少が需要を抑える一方、新規供給が拡大している。Ottawaでは賃貸市場が予想を上回るペースで緩和し、2026年のオンタリオ州家賃上昇ガイドラインは2.1%と4年ぶりの低水準となる。ビルダーはアフォーダビリティ重視の需要に対応してタウンホームなど小型ユニットへ移行する傾向がみられる。
St. Catharines – Niagaraでは、住宅着工総数が2023年2,747戸、2024年1,743戸、2025年2,514戸と推移し、2026年予測はLow 1,600戸~High 2,100戸とされる。MLS®販売は2025年6,098件で、2026年はLow 6,000~High 6,600件、平均価格はLow 650,000ドル~High 680,000ドルが見込まれる。Windsorでは住宅着工が2025年1,262戸、2026年予測Low 800~High 1,400戸、MLS®販売は2025年5,402件、2026年はLow 5,200~High 5,800件とされている(Forecast Summary)。
Niagaraでは2026年に販売の増加が予測されるが、10年平均を下回る見通しで、国際移民の減少、慎重な買い手、GTA・Hamiltonからの流入減が成長を制約する。Windsorでは製造業依存の経済と貿易関係の不確実性が消費者信頼感を低下させ、2026年の販売は小幅な伸びにとどまる見込み。両市とも豊富な再販在庫が買い手優位の市場条件を維持する(Key highlights)。
Niagaraのground-oriented着工は2026年に歴史的低水準付近で横ばい、賃貸アパート着工はNiagara Falls市などで比較的堅調を維持する。Windsorでは政府支援により賃貸アパート着工が下支えされる一方、2027・2028年に経済安定とともにground-orientedの回復が見込まれる。Quebec州では主要市場の着工が高水準で安定し、賃貸建設が牽引するが、空室率上昇により徐々に鈍化する見通し(Key highlights、Regional overview)。
両CMAで賃貸空室率の上昇が予想され、Niagaraは2025年3.9%から2026年4.2%へ、Windsorは2025年3.7%から2026年3.9%へ上昇する。これは非永住者や就労・就学許可保有者の移動減少による需要軟化が背景にある。2ベッドルームの平均家賃は緩やかな伸びが続く見込み。Quebec州では2024年末に始まった人口増加鈍化が国際留学生受入れ上限と移民目標引き下げを主因に継続し、Montréalは人口減少の可能性もある。再販市場は堅調な経済に支えられるが、価格・家賃の伸びは2026年に鈍化し、2027年以降は安定する見通し(Forecast Summary、Growth in housing demand will slow、Resale markets will remain dynamic in 2026)。
ケベック州の主要市場では、賃貸住宅の記録的な着工が続き、新規供給の増加により空室率が上昇している。2026年の州主要市場の空室率は2.5〜4.5%に達する見込み。賃貸住宅の建設中戸数は過去最高水準にあり、2025年時点でモントリオールCMA 27,391戸、ケベックCMA 8,925戸、GatineauCMA 3,800戸となっている(Figure 2)。
モントリオールCMAの空室率は2023年1.5%、2024年2.1%、2025年2.9%と上昇を続けており、2026年は3.8〜4.2%への上昇が予測されている。2ベッドルーム平均賃料は2023年1,096ドルから2025年1,346ドルへ上昇し、2026年は1,405ドルの見込み(Forecast Summary Montréal CMA)。GatineauCMAの空室率は2023年1%から2025年3.8%へ大きく上昇し、2026年は4.3〜4.6%へ、2ベッドルーム平均賃料は2025年1,460ドルから2026年1,520ドルへ(Forecast Summary Gatineau CMA)。
モントリオールおよびケベックでは2025年の着工が予想を上回り、2026年も建設は堅調が続く見込み。Gatineauでは2024年に始まった回復が2026年も継続する。ケベック地域では、2025年にLévisで課された着工モラトリアムの影響で2026年はやや減少傾向となる見込み(section: Starts will stabilize at high levels)。
2年前に始まった賃貸市場の緩和が2026年も続き、空室率は予測期間を通じて上昇する。緩和の要因は、完成済みおよび建設中の多数の新規戸数、恒久・一時移民の減少、雇用市場の弱さである。賃料の伸びは2026年に2025年より鈍化する見込みで、これはTribunal administratif du logement(TAL)が算出方式を改定し、推奨賃料上昇率が低下する可能性が高いことによる。賃貸住宅は新規戸数の80%を占め建設を牽引する一方、コンドミニアム部門は高コストと限定的なプレセールにより低調が続く(section: Key highlights)。
Québec CMAでは、2025年の総住宅着工が8,583戸(Ground-oriented 1,477戸、Apartments 7,106戸)となり、リセール販売は10,264件、平均価格は465,325ドル、空室率は2.4%、2ベッドルーム平均家賃は1,277ドルであった。Halifax CMAでは、2025年の総着工が7,000戸(Ground-oriented 1,357戸、Apartments 5,643戸)、MLS販売5,312件、平均価格602,079ドル、空室率2.7%、2ベッドルーム平均家賃1,826ドルとなった(Forecast Summary Québec CMA / Halifax CMA)。
Québecでは空室率が2023年・2024年の0.9%から2025年に2.4%へ大きく上昇した。Halifaxでも空室率が2023年の1、2024年の2.1%、2025年の2.7%へと上昇し、いずれの地域も賃貸市場が緩和方向にある。価格面では、Québecの平均価格が2024年406,303ドルから2025年465,325ドルへ上昇し、Halifaxは576,557ドルから602,079ドルへ上昇した(Forecast Summary Québec CMA / Halifax CMA)。
Québecでは需要が堅調で供給が限られるため、都市圏の価格は上昇を続ける見通しで、地域経済はサービス業中心のため米国の関税の影響は小さいとされる。Halifaxでは強い雇用が市場を下支えするが、移民の鈍化と労働制約が勢いを抑える。両地域とも低金利やMLI Selectなどの政府プログラムが新規建設の誘因となっている(Key highlights)。
Québecの2026年着工は、LévisのSouth Shoreにおける建設許可の一時停止により減少が見込まれ、その後中期的に安定する。空室率上昇は一時的移民の急減と新規賃貸供給の増加によるものである。Halifaxでは記録的な完成戸数と建設中物件、非居住移民減少による需要低下で空室率が上昇するが、長期平均を下回る水準にとどまり市場は引き締まったままとなる。賃料は両地域とも緩やかな上昇が続く見込みである(Key highlights)。
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