2025年のカナダの住宅着工は前年比6%増の259,000戸に達した。ほぼ全ての市場で活動は10年平均を上回ったが、トロントは例外で、着工が歴史的平均を大きく下回り、主要7CMAの中で人口あたり最低水準となった(Canada's housing construction remained resilient in 2025)。着工の伸びは記録的な賃貸建設と拡大するミッシングミドル住宅によって牽引された(Highlights)。
2025年は賃貸建設が新規供給を牽引し、建設中の賃貸戸数は10年平均のほぼ2倍となった。賃貸着工はカルガリー、エドモントン、オタワ、ハリファックス、モントリオールで過去最高を記録し、トロントも過去2番目の水準に達した。バンクーバーはわずかに減少したものの歴史的には高水準を維持した。ミッシングミドル住宅の着工は主要7CMAで約10%増加し、2018年以降の着実な増加を積み上げた。カルガリーとエドモントンは新規着工の約60%(主に連棟・タウンハウス)を占めて牽引し、トロントは約40%で続いた。トロントのミッシングミドルの半分以上は既存建物の転用(conversions)によるものであった(Housing system successes...)。
2025年は完工水準も堅調で、近年の高い着工量を反映した。バンクーバーはアパート完工を中心に過去最高を記録し、カルガリーとエドモントンも記録的水準に達した。建設期間も改善し、カルガリー、オタワ、エドモントンが最も強い改善を示した。建設中の賃貸戸数増加により空室率は上昇し、賃料成長は概して鈍化した(Housing system successes...)。
進展の一方で、大きな脆弱性が潜んでいる。コンドミニアムの事前販売が崩壊し、未売却在庫が急増、資金調達環境が引き締まった。これらは特にトロントとバンクーバーで、所有向け住宅供給の将来パイプラインを脅かしている。人口成長の鈍化、慎重な購入者、高い建設コストが供給判断を形作り、開発業者を小型アパートへと向かわせ、家族向けの地上型住宅を制約した。バンクーバーでは、地価上昇によりコンドミニアム着工が都心から遠ざかっており、都心からの平均距離は2023年の18.86kmから2025年には20.59kmへと拡大した(Figure 1)。今後、新規供給が吸収されるにつれ短期的な需給不均衡は緩和し、長期的には手頃さの改善に寄与すると見込まれる(Highlights)。
2025年、住宅着工は全国的に転換点を迎えた。コンドミニアム着工はプレセールの崩壊、投資家の後退、高止まりするコストにより急減し、開発業者は資金調達に必要なプレセール基準の達成が困難となった。これによりトロントとバンクーバーを中心に将来の供給が危険にさらされている。一方、エドモントンとカルガリーでは住宅着工が過去最高を記録し、カルガリーは初めてトロントを上回った。全国の住宅着工タイプ別データでは、2025年のコンドミニアム集合住宅着工は6,134、Semi-Detached and Rowsは3,783、Single-Detachedは3,590となった(Residential Housing Starts by Type and Year)。
完成済み未売却在庫は主要CMAで二桁増加した(モントリオールを除く)。バンクーバーは完成時点で最も高いコンドミニアム未売却在庫を記録し、エドモントンは最も高い地上型(ground-oriented)在庫を抱えた。トロントも未売却コンドミニアムとロウハウスの増加が顕著だった。カルガリーでは賃貸集合住宅の着工が前年比75%増と急増した一方、コンドミニアム着工は11%減少した。建設コストはなお高水準だが2024年より緩やかに伸び、モントリオールが最速の上昇、トロントが最低の伸びを記録した。
エドモントンは2年連続で住宅着工が過去最高となり、賃貸・持家の両セグメントが成長に寄与した。ミッシングミドル住宅(中密度)は全着工の60%を占め、ゾーニング改革やインフィル用地の豊富さが後押しした。カルガリーは4年連続の過去最高で、賃貸とミッシングミドルが牽引し、中密度が着工の3分の2を占めた。ただしカルガリーでは着工が完成を上回り、建設中の住戸が増加、熟練労働力と施工能力の不足が懸念されている。
人口増加は主要CMAで鈍化し、移民の減少を背景にトロントとバンクーバーでは減少に転じた。これが投資家活動を抑制し、新規コンドミニアムの魅力を低下させた。バンクーバー・トロントでは完成済み未売却コンドミニアムが増加し、エドモントン・カルガリーでは地上型供給の過剰が生じた。家族向けの持家供給は依然として脆弱で、トロント、モントリオール、バンクーバー、オタワで地上型着工は歴史的平均を大きく下回った。全国の住宅着工は2026〜2028年にかけて、高コスト・軟調な需要・高水準の在庫を背景に減少する見込みである(The path forward)。
2025年のトロント圏では、住宅着工が再び減少し、2009年以来の最低水準となった。これは初めてカルガリー、モントリオール、バンクーバーを下回る水準である(Market shows short-term surplus and long-term supply risks)。一方、完工数は高水準で、再販売市場のリスティングは過去最高に達した(Highlights)。カルガリー圏ではアパート着工が28.8%増、建設中が29.2%増と、高密度住宅への移行を反映した記録的な活動を示した一方、戸建て着工は5.8%減となった(Figure 1: Calgary)。
トロント市場は短期と長期で様相が異なる。短期的には、完工の高進行と記録的な再販売リスティングによる供給増と、経済の不確実性や人口増加鈍化による需要抑制が重なり、空室率の上昇、賃料上昇の鈍化、住宅価格の下落など緩和的な環境となっている(Market shows short-term surplus)。しかし着工の減少は将来の供給不足を示唆し、記録的なコンドミニアム計画のキャンセルは今後供給されるはずだった数千戸を市場から取り除く(Market shows short-term surplus)。
財務上の制約と経済不確実性回避のため、開発業者は賃貸および小規模プロジェクトへ移行した。2025年には3〜5戸の開発が100戸超の開発を記録上初めて上回った(Developers shifted toward rental)。トロント圏のアパート構造着工に占める3〜5戸の割合は2024年の20.4%から2025年に53.1%へ急上昇し、100戸以上は28.7%に低下した(Figure 1)。賃貸専用住宅の着工は1990年以来2番目に高く、トロント市ではコンドミニアム着工を初めて上回った(Developers shifted toward rental)。セグメント別では、新築や小型のコンドミニアム、大型・高額住宅で余剰が大きかった(Highlights)。
オタワでは2025年の総着工が1万戸を超え、賃貸ユニットが大半を占めた。トランジット指向型開発(O-Train網拡張)や低金利期に計画された案件、政府の賃貸支援策が寄与した(Near-record starts)。一方、コンドミニアム着工は減少を続け、2023年に着工の約3分の1を占めた比率は2025年に約10%まで低下した(Near-record starts)。ミドル層向け中密度住宅は着工の約45%に達し、新築・改修ともに過去最高水準となった(Medium-density construction)。
Montréal CMAでは2025年の住宅着工が過去最高に達し、賃貸住宅が全着工の8割超を占めた。Figure 1(Starts, by tenure)によると、2025年の賃貸着工は23,089戸で、コンドミニアム着工は2,027戸だった。一方、Ottawaにおける建設中の賃貸アパート戸数はFigure 1(Units under construction)で2025年12月に11,031戸と過去最高を記録した。
Montréalの賃貸着工は2024年の13,813戸から2025年の23,089戸へ大きく増加した。対照的にコンドミニアム着工は2024年の1,869戸、2025年の2,027戸と歴史的低水準にとどまった(Figure 1)。賃貸建設の増加はLaval、North Shore、South Shoreで特に強く、低い土地コストと土地の入手性がプロジェクトの成立を支えた。多くは数年前から開発が進められていた賃貸専用(purpose-built rental)案件であり、賃貸需要の鈍化にもかかわらず着工に至った(Rentals increasingly dominate housing construction)。コンドミニアム着工の低迷は、投資家活動の弱さ、経済的不確実性、新築と中古の大きな価格差が背景にある。
短期的にはMontréalの市場環境は緩和しているように見える。人口増加の鈍化とマクロ経済の不確実性が需要を弱め、高水準の完成戸数が供給を増やした結果、賃貸空室率が上昇した(Relaxed market conditions)。ただし、これらの完成物件の多くは需要期待が高かった数年前に着手された案件であり、着工の鈍化は中長期的に完成戸数の減少をもたらすとされる。別のHighlightsでは、建設中住宅が過去最高に達し、多くのビルダーがほぼフル稼働で、熟練労働者不足や専門職の競合によりプロジェクト遅延・延期が指摘されている。
賃貸と持家の供給格差が拡大している。新規建設は賃貸住宅に集中しており、有利な融資条件と戸建・準戸建向け用地の限界が高密度型へのシフトを強めている。Missing middle住宅は総着工の3分の1を占め、CMA内で異なる形で進展した。Island of Montréalでは土地不足と価格の高さから改装(conversions)が集中し、North/South shoreでは支援的政策と用地の余地により低層アパートが増加した(Missing middle takes various forms)。都市交通周辺のインフィル開発もMissing middle建設を高水準に支えている(Highlights)。
Halifax CMAにおける建設中のアパート戸数は2025年に12,389戸に達し、過去最高を記録した。Single-detached(一戸建て)は682戸、Semi-detached(二戸一)は214戸、Row(連棟)は712戸となっている(Figure 1)。全体としては賃貸建設が活動を主導した(Medium-density construction remained historically strong)。
アパート戸数は2024年の8,848戸から2025年の12,389戸へと大きく増加した。Row住宅も2024年の551戸から712戸へ増加し記録的な水準となった一方、Single-detachedは683戸から682戸とほぼ横ばい、Semi-detachedは218戸から214戸へ微減した(Figure 1)。
ミッシングミドル(中密度住宅)の着工は前年から小幅に減少したものの、記録上2番目に高い水準に達した。新規建設の減少はコンバージョン(用途転換)の増加によって相殺され、緩やかな高密度化と都市近接地でのインフィル開発を促進する政策がこれを支えた。これらのゾーンの外側では、建設業者は高密度の賃貸プロジェクトに一層注力した(Medium-density construction remained historically strong)。
2015年のアパート3,016戸から2025年の12,389戸まで、建設中のアパート戸数は長期的な増加傾向を示している。Row住宅も136戸(2015年)から712戸(2025年)へと拡大しており、賃貸・高密度・中密度住宅への供給シフトが確認できる(Figure 1)。
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